ネストリウス派(東シリア教会)をたずねて

シルクロードにおけるキリスト教(おもにネストリウス派)の足取りを、関連書籍を読みながら たどります

ギョベクリ・テペ(シャンルウルファ)に行ってみた

 

 ネストリウス派は、シリア語と縁が深く、シリア語はエデッサ(ウルファ、現在のシャンルウルファ)を首都とするオスロエネ王国と縁が深いらしいと、以前書いた。↓

 

 しかし、エデッサ(シャンルウルファ)がどういうところなのか、皆目、わからない。コロナがおさまったところで、そんなところに行ける日が来るのかもわからない。そう思っていたら、思いがけず、シャンルウルファに行けることになった。旅行会社HISのオンラインツアーである。シャンルウルファには、2018年に世界遺産に登録されたギョベクリ・テぺという遺跡があるのだが、それは、これまで最古の文明といわれていたメソポタミア文明よりさらに7000年も古い遺跡だそうで、今回のオンラインツアーでは、その遺跡に連れて行ってもらえるという。面白そうなので、参加してみた。

 

 ツアーガイドの解説によれば、シャンルウルファは、チグリス・ユーフラテス川の間に位置するそうで、シリアの国境までは50kmほどだという。トルコのイスタンブールからだと飛行機に乗っていくそうで、トルコ人にとっても、シャンルウルファは行きやすい場所ではないらしい。はじめに、シャンルウルファの博物館の様子をざっと見せてもらえた。このシャンルウルファは、預言者アブラハムの生誕地でもあるらしい。その後、郊外のギョベクリ・テぺ遺跡へ移動。ここが、メソポタミア文明より7000年も古いという遺跡である。この遺跡を全部発掘するのには、まだ150年もかかるという。だから、今後の発掘次第では、新しいことがわかってくるだろうし、現在わかっていることはまだわずかだと思うが、現時点では、この遺跡は神殿だとされている。蛇やキツネといった動物などが、この神殿の柱に彫られているらしい。「らしい」というのは、オンライン上の画面では不明瞭でよく見えなかったからである。ただ、現地ガイドの解説は詳しく興味深く、時間が足りないほど。コロナ禍で、海外からの観光客はほとんどいないようだが、トルコ国内の観光客は、そこそこ来ているようで、トルコ人にとっても、世界最古の文明であるギョベクリ・テぺ遺跡の発見は、心躍らす出来事のようであった。

 

 チグリス、ユーフラテスの上流に位置するシャンルウルファには、人類最古の文明の遺跡があり、そこで預言者アブラハムが生まれたり、シリア語と縁の深いオスロエネ王国が生まれたりしたというわけで、この地には、色んな意味で重要な歴史が折り重なっているのだなぁと、このHISのオンラインツアーを通して、改めて教えられた。